
重度知的障害児ぼんちょを含めた家族4人で大阪・関西万博に行きました。優先入場の実際や、行ってみてわかったことや反省点についてブログにまとめます。
重度知的障害児ぼんちょと一緒に8月の3日間で大阪・関西万博へ行きました。
実際に行くまではXやブログで情報収集をし、気持ち的には万全の準備で行ったつもりでした。ですが、子供(うち1人は障害児)を連れての万博。
「実際に行ってみたら思っていたのと違った!」
「もっとこうすれば良かった」
ということは当然ありました。実際に行ってみてわかったこと・感じたことを中心にブログにまとめてみます。
これから障害のある子を連れて万博に行くご家族にとって少しでもお役に立たれば幸いです。
夫(アラフォー) | 運転手。協力的。暑いの苦手。 |
パトまめ(アラフォー) | 万博旅行の計画者。 |
ぼんちょ兄(小4) | 大きい音・先が予見できないことが苦手。 |
ぼんちょ(小2・重度知的障害) | じっとするのが難しい。 ルールを守るのが難しい。 奇声あり。 |
↓万博旅行の事前準備でしたことや持ち物、今回の旅行のスケジュールなどはこちらからどうぞ


重度知的障害児と行った大阪・関西万博|パビリオン優先入場の実際は?

大阪・関西万博には療育手帳などの障害者手帳を所持しているなど配慮が必要な人のための優先入場レーンが設置されているパビリオンがあります。
我が家の重度知的障害児ぼんちょは、そういった仕組みが無ければ何もできず帰ることになった可能性があります。優先入場の仕組みのおかげで、できる経験が増えることをとてもありがたく感じています。
万博会場に行ってみてわかった優先入場の実際についてまとめます。
優先入場をお願いするには自分からの声かけが必要
優先入場があるパビリオンでも、ほとんどの場合「こちらが優先入場」と記載があるわけではありません。ほとんどの場合は、パビリオンのスタッフを探して自らの声かけが必要でした。
また、ぼんちょの場合はスペシャルニーズバギーに乗っていましたが、ベビーカーと勘違いされることもありました(120cm越えの身長でも・・・)。なので、最初から療育手帳を提示して障害者であることをわかりやすく伝えるのがおすすめです。
優先入場も待ち時間はゼロではない
優先入場があるパビリオンでも人気のアメリカやイタリアなどは優先入場のレーンに長蛇の列ができていました。その場合はスタッフに「何分くらい待ちそうですか?」と尋ねると教えてくれました。
また、優先入場の先頭に並んでも次の入場のタイミングまで待つようになります。その時間がパビリオンごとによって違いました。特に映像が流れる展示があるパビリオンは、映像の長さによって次の入場者を中に入れるタイミングが変わるようでした。

イタリアパビリオンでは優先入場でも40分くらい待ちました。途中、並んでいる人に向けてペットボトルの水が配布されとてもありがたかったです。
優先入場があるパビリオンでも常に入れるとは限らない
ハンガリーパビリオンに入ろうとした時のことでした。療育手帳を見せて優先入場できるかスタッフ尋ねてみると、「今は待っている人数が多いから、18時以降に来て」と返ってきました。
その日は時間的に難しかったので、翌朝9時過ぎにハンガリーパビリオンへ行くと、「今日は9時半から並び始めて10時から始めることにしたから10時に来て!」と言われました。
9時に一斉に始まるんじゃないんだ!?
と、驚きました。そして、歩いているとブルガリアパビリオンもその日は都合で14時からとなっていました。パビリオンごとにルールがあったり、日によって営業時間が違ったりするんだな〜と実際に行って知りました。
公式サイトの「今週の万博」というページでその日の営業時間を知ることができると後から知りました!
きょうだい児への優先入場についての説明
ぼんちょの療育手帳で多くのパビリオンに優先入場できました。あるパビリオンに優先入場させてもらった時、暑さと疲れもあってか、ぼんちょ兄から「すぐに入れて良かった」という言葉が漏れました。
その漏れた一言を聞いて、これはまずいなと思いました。
「なぜ優先入場できるのか。」
きょうだい児であるぼんちょ兄に、親としてはっきりと説明していなかったことに気づきました。そこでぼんちょ兄には、次のような話をしました。
ぼんちょに障害があるから優先入場させてもらっているけれど、その分待つことになる人がいることは忘れてはいけないよ。
ぼんちょに障害があるからって当たり前とは思わずに、どんな時でも助けてもらう時は感謝の気持ちを常に持っていたいと思うよ。
ぼんちょは障害があるゆえに、みんなと同じ「平等な」条件・環境のもとではその場にいることさえも難しいことがあります。
今回の万博の優先入場のような助けがあってやっと初めて、ぼんちょもその場にいて経験することができます。いつもそういった「公平な」助けがある社会になってくれるといいなと願うけれど、たとえその助けが当然に必要なものであったとしても感謝の気持ちを持っていたいです。
重度知的障害児と行った大阪・関西万博|想定と違ったこと
民間パビリオンも一部予約なしで入れることがある

万博旅行2日目の朝は東ゲートから9時ごろに入場することができました。
すると、「今なら予約なしで入れま〜す!」と叫ぶ声が三菱未来館の方から聞こえてきました。
ガイドブックで面白そう!って思ったパビリオンだったので入ってみることにしました。
予約が無いと民間パビリオンは入れないと思っていましたが、朝一番だと予約なしで入れるパビリオンがあるとわかりました。
また、3日前予約で未来の都市パビリオン(シアター無し)を予約していました。
予約時間は15時台だったのですが、12時半ごろ近くに行くと予約無しで待たずに入れそうでした。なので15時台の予約をキャンセルして入場しました。
海外パビリオン以外は予約なし入場ができないと思っていたため嬉しい想定外でした。
どこでも日本語が通じる
当たり前じゃん、日本でしょ。
って突っ込まれるかもしれませんが、海外パビリオンでは日本語が通じないこともあるのでは!?と勝手に不安がっていました。ですが、必要最低限のコミュニケーションをとる範囲内で困ることありませんでした。
大屋根リング、めっちゃ良い

大屋根リング・・・上を歩いても下を歩いても心地よい建造物です。
実際にリング下を歩いてみて驚きました。海風がやってきてとても涼しいのです。リング上へはバギーなのでエレベーターで上がりましたが、なんと上には芝生があります。
大屋根リングについては詳細をリサーチしていなかったので上に芝生があることにとても驚きました。私はパビリオンに入ることばかり考えていましたが、子供たちは大屋根リングを歩くことがとても楽しそうでした。
e Moverでの移動が快適すぎた

スケジュールの関係で東から西へ大移動しなければならない瞬間がありました。e Moverを利用するにあたって心配していたことは次のとおりです。
「乗り場が混んでいたらどうしよう?」
「利用の仕方、すぐわかるかな?」
「バギーで利用するけどスムーズに乗れるかな?」
実際利用してみたら何の心配もいりませんでした。
そんなに混んでもいないし、乗り場には手慣れたスタッフがいて購入もスムーズでした。
バギーに乗ったぼんちょを見てすぐに「手帳ありますか?あったら割引できるので提示してくださいね」と教えてくれました。
乗る時はステップにスロープをすぐにかけてくださって、乗せるのも手伝っていただきました。
ぼんちょは多分e Moverに乗っている時が一番嬉しかったんじゃないかな?と思うほどニコニコでした。しかも、運転手さんが運転しながら小ネタを話してくれるので、それも楽しかったです。すぐに大移動できるし涼しいし、利用して良かったです。
夢洲障がい者用駐車場は再駐車は不可!休憩しに戻るには意外と遠い
夢洲障がい者用駐車場は一度出てしまったら再び駐車することはできません。ですが、会場への再入場自体は可能です。なので疲れたら会場を出て駐車場に戻って休憩することも想定していました。ですが・・・

我が子たちは一度車に戻ると二度と会場に戻れない気がする・・・
特にぼんちょは、一度車に乗ると出発しろと怒りそうだなと思い、車で休憩する案はやめました。また、意外と会場から駐車場まで距離がありました。それならば、万博会場内の涼しそうな休憩所で休む方が我が家の場合は落ち着いて過ごせそうだと判断しました。
重度知的障害児と行った大阪・関西万博|失敗・反省したこと

パビリオンの内容のチェック不足
パビリオンには「自分の速度で楽しめるパビリオン」「所要時間が決まっているパビリオン」の2種類あります。我が家はこのチェックを怠ったのが一番の反省点です。
特に我が家の場合は、「自分の速度で楽しめるパビリオン」の方が向いていることが実際に万博に行って判明しました。理由は子どもたちに次のような反応があったからです。
ぼんちょ | ・楽しくなりすぎると声が出てしまう ・バギーが止まると嫌がることがある |
ぼんちょ兄 | ・どのパビリオンでも音が大きすぎると耳を塞ぐ場面が多かった |
このような理由から、自由に動いて見る展示が多いパビリオンの方が我が家の子どもたちには合っていました。ですが、パビリオンごとのリサーチが甘かったので子どもたちにはすごく申し訳ないことをしました。

「自分の速度で楽しめるパビリオン」の良いところは他にもあります。パビリオンに入るために並んでいる人がたくさんいても、比較的列の進みが速いように感じました。
ベビーカー不可でも車椅子としての利用はOKな場合があることの認識不足
電力館に入る予約時間の直前にぼんちょがバギーで寝てしまいました。その時にバギーで入り口に行き、スタッフに「寝てしまったのですが、このまま入れますか?」と尋ねると、「バギーでは難しいです」と返ってきました。
結局ぼんちょを起こし、バギーから降ろして入ったのですが、
大荒れ。
これは無理だなと判断して、中のスタッフに次のように伝えました。

「無理そうなので外に出ます。中にバギーでは入れないと外のスタッフさんに聞いたためバギーを外に置いてきました。障害があって卵を持つのも難しいので、もし良かったらバギーに乗せて見るだけ見せてやっても良いですか?」
すると、外まで案内され、バギーで再度入ることができました。その時に次のように謝罪されました。
「バギーの車椅子としての利用は可能なのに、お客様のニーズを確認せず中に入れないとお伝えして申し訳ありませんでした。」
私自身、バギーが障害者用として認識されずベビーカーとして見られてしまうことが頭から抜け落ちていました。先に伝えれば良かったと反省しました。実際には、おそらく全てのパビリオンが車椅子でも中に入れる工夫がされているはずです。
アオと夜の虹のパレードの予約席は立ち見の可能性あり!

アオと夜の虹のパレードの予約席は2ヶ月前抽選で当選しました。座って見るのはぼんちょもきっと大丈夫・・・と思っていました。
予約席には公演の30分前から入れます。
万博に来て初日だったこともあり迷ってしまい、予約席に辿りついたのが開始10分前。するとスタッフから告げられました。
「すでに座れる席が埋まってしまい立ち見になります。」
立ち見!?予約だけど立ち見席があるんですか!?これも私のリサーチ不足で、予約席でも立ち見になる可能性があることを万博に来てから認識しました。
同じ場所にじっと立っていられないぼんちょです。これは無理だと判断し、ダメ元で次のようにスタッフへ伝えてみました。

「障害があるためじっと立って見続けることが難しいです。座るのはできるため通常の予約席を予約してしまいました。他の家族は立ち見で大丈夫なので、障害のある子だけバギーに乗ったまま見せていただけないでしょうか。」
すると、すぐに「確認します」と対応があり、車椅子対応の席に案内してくださいました。
実は予約席を申し込む時に、椅子に座ることはできるから通常の予約席を申し込めば良いのか、車椅子専用席を申し込めば良いのか悩みました。そもそもバギーで車椅子席を利用して良いのだろうか?も不明でした。実際に行ってみると、車椅子席は障害があればバギーの利用が可能でした。
バギーを持っていて立ち見が難しい障害児(者)がいる場合は、「アオと夜の虹のパレード」は車椅子席を予約することをおすすめします。

ちなみに車椅子席は介添人1名には椅子が用意されますが、それ以外の家族は席がなく立ち見か持参している折り畳み椅子で見ることになります。
大事な持ち物には名前を書くべし!
これから行く人には心からやってほしいです。大事な持ち物には名前を書いてください。特に、
スタンプパスポート。
落としました、最終日に。落とし物センターの人曰く、めちゃくちゃあるらしいですよ。スタンプパスポートの落とし物。
「名前があれば・・・」
と言われました。そうですよね(涙)。大大大反省です。

覚えている限りの特徴を伝えたら、Xのお友達がわざわざ足を運んで落とし物が届いていないか万博会場で確かめてくれた・・・ありがとうございます・・・!
まとめ
重度知的障害児ぼんちょを含めた家族4人で大阪・関西万博に行った経験から、優先入場の実際や、行ってみてわかったことや反省点についてブログにまとめました。
家族に障害児がいるからこそ万全の準備をして行ったつもりでしたが、実際に行ってみて初めてわかったことや反省点はありました。
現地のスタッフの方々がとても親切で、多くの配慮をしていただき、結果的に家族みんなで見て回ることができました。本当に感謝しかありません。
万博に行ったからこそ子どもたちの反応も知ることができました。今後のお出かけプランを立てる時に考慮したいです。
障害のある子がいる家庭の場合、心配なことがそれぞれで違います。
我が家の万博体験はあくまで一例として参考にしていただけると幸いです。
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最後まで読んでくださりありがとうございました!

