
小学生になってから、ぼんちょと2人で買い物に行くことが増えました。
- 子どもと買い物に行って二度と行きたくないという気持ちになったことがある
- 休日に子どもと出かける選択肢がない
↑過去の私です
子どもとの買い物、気が進まないです。
正直1人で行った方が早い。めちゃくちゃわかります。でも、
将来に向けて買い物に行けた方が良いのでは?
商品を選ぶ経験をした方が良いのでは?
重度知的障害児を育てている保護者なら一度は考えたことがあるはずです。
今回は、重度知的障害と診断されたぼんちょと日々買い物している経験をまとめます。
買い物の練習に行く前に役立つ「買い物練習チェック表」のダウンロードもできますのでご活用ください。
重度知的障害児と行く買い物のしんどさ
ここで紹介する重度知的障害児と行く買い物のしんどさは、過去にぼんちょと買い物をしたパトまめの経験に基づいています。
重度知的障害児との買い物は手も目も離せない!?
重度知的障害児と買い物に出かけると、常に目を離せない状況が続きます。突然の行動や予測できない反応があるため、保護者は細心の注意を払わなければなりません。これにより、買い物そのものが非常に大変なタスクに感じられることがあります。

特に保護者として絶対に止めたいことは、買うつもりのない商品を触ることやレジ精算前に商品を開封することなどです。
気に入らないことがあると床に転がる・暴れる
思い通りにならない状況で、子どもが感情を爆発させることがあります。例えば、気に入らないことがあるとその場で床に転がったり、声を上げて暴れるといった行動を取ることがあります。これらの場面に適切に対応するための準備が求められます。

「まだ帰りたくない」「違う方向に行きたい」「欲しいものが手に入らない」など理由はいろいろ・・・周りに人もいて迷惑にもなるし、経験すると二度と買い物に行きたくなくなります。
重度知的障害児との買い物について児童発達支援センターの先生からのアドバイスは?
買い物の経験を積むためだけの買い物をする
ぼんちょに買い物を経験させたいという気持ちがずっとありました。
でも、あまりにもぼんちょを連れて行く買い物がしんどかった時に児童発達支援センターの先生に相談したことがあります。先生からは、
「お母さん、生活に必要な買い物はぼんちょ君をセンターに預けている時に行ってください。ぼんちょ君に買い物の経験をさせてあげたいのであれば、別でぼんちょ君の買い物の練習のためだけの買い物をしてあげてください。」
と言われました。
- 生活に必要な買い物
- ぼんちょの経験のために必要な買い物
これが混ざっていたんですね。そのことに児童発達支援センターの先生のアドバイスで気づくことができました。
重度知的障害児と挑戦する買い物練習の始め方

目標を決める|買い物練習前のチェック表
「買い物の練習をするぞ」と心に決めても、
具体的に何ができたら良いの?
今何ができて、何が難しいのか?
を明らかにしておく必要があります。その場合に次のような表が使用できます。
場面 | 行動 | 可否(◯△×) | 詳細メモ |
入店 | カゴを手に取る | △ | 大人と一緒ならできる |
カートにかごをセットする | △ | 大人と一緒ならできる | |
店内 | かごを持つ | △ | 大人と一緒ならできる |
カートを押す | △ | 大人と一緒ならできる | |
商品を選ぶ | △ | 好きな商品・目についた商品を手に取ることはできるが、こちらが購入してほしいものを示して選ぶのはまだ難しい | |
カゴに入れる | ◯ | 「カゴに入れて」と伝えると入れることができる | |
精算 | レジに並んで待つ | △ | 手をつないで待てる |
セルフレジを使う | △ | 大人と一緒ならバーコードを読み込ませれる | |
お金を取り出す | × | 1枚の硬貨のみなら出せるが、適したお金は取り出せない | |
お金をトレーや投入口に入れる | △ | トレーや投入口を手で示すと硬貨を入れる | |
片付け・退店 | 商品をエコバッグに入れる | ◯ | エコバッグを広げて置いておくと自分から入れる |
かご・カートを片付ける | △ | 大人と一緒ならできる | |
商品を持って帰る | ◯ | 自分で車まで手放さずに持つ |
それぞれの場面で必要な行動を整理してみました。このようにまとめると、自分の子が今買い物の習熟度がどの程度なのかがわかりやすいです。
↑こちらの表はご自由にご利用ください(商用利用・無断転載禁止)
重度知的障害児と何かに取り組む時は「できること」「できそうなこと」「できないこと」を整理して取り組むことが大切です。「できること」は毎回必ずやるようにします。そして毎回「できそうなこと」の中から1つ挑戦するようにしています。
予想される問題行動とその対策を考える
「重度知的障害児と行く買い物のしんどさ」で挙げたように、商品に触ることや思い通りにならないための癇癪などが買い物でのトラブルにつながりやすいです。
商品を触る
ぼんちょも目に入って気になる商品を手に取ってしまうことがあります。それは人として当然のことでもあります。ただし重度知的障害の場合難しいのは、それを口に入れてしまうとか、陳列棚からどんどん出してしまうとか、触ることから問題行動につながりやすいことです。
我が家の場合は、不必要な時に商品を触らないために手を塞ぐことで対応しました。
買い物の時には「かご」や「カート」を使用します。
「カート」を押せば両手が塞がりますし、「かご」を持って反対の手で大人と手を繋げば両手が塞がります。
「カート」や「かご」を使えるようになることは必要な買い物スキルなので一石二鳥です。
思い通りにならないための癇癪
癇癪の原因は子どもによって様々です。ぼんちょの場合は、
店内で行きたい場所(道順)があるのに行けない
まだ帰りたくないのにレジ・出入り口の方向に誘われた
という理由から店内の床にしがみついて動かなくなったことがあります。
悩まされる癇癪は、本人の中で勝手に「こうなるはずなのに!」「こうしたいのに!」というルールが出来上がって起きていることが多いです。なので、普段からこだわりや勝手なルーティンが出来上がらないように変化をつけるようにしています。
次の章で説明しますが、
同じ店にばかり行かないこと
同じ物ばかり買わないこと
商品を買う時もあれば買わずに店を出る時も作ること
こういった変化を取り入れています。買い物に必要なスキル自体はどこの店に行っても同じだとしても、それを練習する場所・場面はいろいろな設定で取り組むことが癇癪から遠ざけることにも繋がります。

重度知的障害との買い物練習には正直丸腰では臨めない・・・日々いろいろ考えながら取り組んでいます。
重度知的障害児と行く買い物で気をつけること

買う量や物は事前に決めておく
子どもが選んで買う量や物は事前に決めています。
お菓子を1つ買う
事前に決めたこのお菓子を買う
こんな感じのルールで大丈夫です。
ぼんちょの場合は「1つね」と伝えて、お店で2択提示して選んでカゴに入れてもらうことが多いです。
放課後等デイサービスで取り組んでもらった時は事前に絵カードで「牛乳」と決めて、「牛乳」を買って帰ったこともありました。
混雑を避ける
夕方のスーパーやポイント◯倍デーのお店はとても混雑します。
混んだお店ではレジの待ち時間が長くなります。カートの場合は店内で人とすれ違う難易度が高くなります。
駐車場を見た時点で予想はつくので、混雑していそうな時に買い物の練習をするのは避けた方が良いです。
同じ店に固定しすぎない
前の章でも記述したように、同じお店にばかり行くと、いつの間にか本人の中に謎のこだわりやマイルールが出来上がっていることがあります。
コンビニ、スーパー、薬局、ドラッグストア、ホームセンター、複合商業施設・・・世の中にはいろいろなお店があります。建物の規模も売っている物も違います。
買い物に必要なスキルは同じだとしても、それをいろいろなお店で練習することがスキル上達にも問題行動を防ぐためにも良い方法です。
本人のコンディションの良くない時には挑戦しない
本人のコンディションが良くない時とは
眠い
お腹が空いている
テンションがおかしい
みたいな時です。私は絶対買い物に行かないです。やめておきましょう。
迷惑をかけてしまった時には謝る・買い取る
買い物練習中、保護者がそばにいることは絶対条件ですし、迷惑はかけないように心がけるのが当然です。
それでも障害の特性上、突然思いもしない行動に出て商品を破損してしまうなどお店に迷惑をかけてしまう可能性はゼロではありません。
そういった時は事情を説明して謝るのはもちろん、可能な限り商品を買い取る心づもりを持っています。

私は昔ぼんちょと100円均一ショップ行ってレジに並ぶも突然怒り出し、レジ横に積んであった常温コーヒーゼリーにぶつかって床にバサバサと落ちてしまい、それを全て買い取ったことがあります。
とはいえ買い取れない高額商品を破損してしまうことが無いとも言えません。
そんな時には、もしも損害賠償保険に入っていれば、保険での補償が認められる場合もあります。
↓障害の特性が原因で物を破損してしまった場合に備えて入れる保険についてまとめています
まとめ
今回は、重度知的障害と診断されたぼんちょと日々買い物している経験をまとめました。
重度知的障害児に買い物の経験をさせる時は、普段の買い物とは別で買い物の練習に取り組みます。
買い物に行く前に、必ず本人の現在の買い物スキルの習得状況を把握して、目的を持って取り組みましょう。
予想される問題行動への対策もあらかじめ検討し、うまくいきそうにない条件下で挑むのはやめておくべきです。
私はたくさん失敗しています。どうか、同じような境遇の方がこの記事を読まれていたら、何か参考になることがあれば幸いです。
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最後まで読んでくださりありがとうございました!