
今回は重度知的障害ぼんちょのきょうだい児であるぼんちょ兄(通常学級の小学生)が取り組んでいるスイミングの話です。
保育園・幼稚園時代に身体の使い方が不器用だったぼんちょ兄。
そんなぼんちょ兄は年中からスイミングに通うことになりました。
現在スイミングを続けて5年。
実体験をもとに
どのようにスイミングを始めて続けてきたか
スイミングをやっていて良かったこと
について説明します。
スイミングを始めた理由
- 運動全般がぎこちなく不器用だった
- 顔つけができなかった
- 水難事故の予防
スイミングを始めた理由について説明します。
運動全般がぎこちなくて不器用だった
ぼんちょ兄の保育園時代、幼稚園時代。
担任の先生から「動きがぎこちなくて不器用」だと言われたことがありました。
特に衝撃を受けたのは保育園年少の頃、ぼんちょ兄には難しそうだからと「なわとびカード」が免除されていました。
他にも数名「なわとびカード」がありませんでした。
何の相談もなく免除されていることに参観日の時に気づき驚きました。
私としては「たしかに不器用さはあるけれど、時間をかけて練習すれば色々なことができるようになっているけどな〜」という気持ちがありました。
そこでぼんちょの障害を理由に保育園を退園することになった時に、「幼稚園に転園したら何か運動の習い事を始めてみよう」という気持ちを抱きました。
顔つけができなかった
ぼんちょ兄は園でのプールで顔をつけることができませんでした。
小学生になるまでにプールで顔をつけられるようになると良いなという思いがありました。
そこで幼稚園年中の時にスイミング教室をぼんちょ兄に勧めようと決意しました。
水難事故の予防
プールや海、川など水がある場所は事故が起こりやすいです。
水がある場所でのルールを学んだり水に慣れたりすることが水難事故の予防になると考えました。
特にぼんちょ兄は幼児期に夫と一緒にライフジャケットを着て川釣りをしていました。
それもあって夫婦ともにスイミングを習っておいた方が良いかも・・・という気持ちになりました。
泳げるようになるまでの道のり
- スイミング教室の選び方
- 顔がつけられるまでに必要な時間
- ゴーグルがつけられるようになる喜び
- 4泳法が泳げるようになるまで
- 自己ベストタイムへの挑戦
泳げるようになるまでの道のりについて実体験をまとめます。
スイミング教室の選び方
- 最寄りの教室をピックアップ
- 体験教室で体験する
まずは最寄りの教室をピックアップしました。
住んでいる地域には2つのスイミングスクールがあります。
ですが、ぼんちょが通っている児童発達支援センターの保護者から
「隣の市にすごく対応が丁寧なスクールがあるよ」
と教えてもらったため、そのスイミングスクールを含めて計3つのスイミングスクールが候補へ体験に行ってみることにしました。
- 児童発達支援センターの保護者から教えてもらった隣市のスクール
- 市内のスクール2ヶ所
という順番で体験しに行きました。
初めての体験にぼんちょ兄もドキドキだったとは思うのですが、最初に体験したスクールが評判通りコーチが優しかったため、良いイメージでスイミング体験のスタートが切れました。
市内のスクールは幼稚園で仲良くしている友達も一緒に体験しました。
最終的には、「幼稚園の友達と一緒に通いたい」と本人が決め、幼稚園年中の8月から市内のスクールに通い始めました。
顔がつけられるまでに必要な時間
ぼんちょ兄が顔をつけられるまでにかかった時間はなんと
10ヶ月!
何がすごいってスイミングスクールのコーチです。
10ヶ月の間、絶対に無理強いはしませんでした。
観覧席から見ている私の方が、
「一回やらせてみたらいいんじゃないの・・・?」
と、悶々とした記憶が鮮明に残っています。
ぼんちょ兄が自分でできるタイミングをコーチが待ってくれたから、嫌にならずに信頼して通い続けることができたのかなと今では思います。
幼稚園年中から週2回スイミングスクールへ通い、個人差はかなりあると思いますが顔が全くつけられない状態から10ヶ月でプールに潜ることができるようになりました。

ゴーグルがつけられるようになる喜び
スイミングスクールによって方針は異なりますが、ぼんちょ兄が通っているスイミングではグライドキック(バタ足)で7m進めるようになって初めてゴーグルをつけられます。それまではゴーグルなし。
水中で目を開けられるようになってからゴーグルを着用できるようになります。
理由は、ゴーグルが突然外れた時にパニックになるのを防ぐためだと教わりました。
ぼんちょ兄の通うスイミングスクールではゴーグルをつけることが最初の憧れの対象となります。
ぼんちょ兄も、「スイミングはそんなに好きじゃないけどゴーグルはつけられるようになりたい」という気持ちがあったようです。
実際に合格してゴーグルをつけられるようになったことで水泳へのモチベーションが高まりました。
4泳法が泳げるようになるまで
ぼんちょ兄が通うスイミングは2ヶ月に1回進級テストがあります。それが、
めちゃくちゃ厳しい。
たとえ25メートル足をつかずに泳げたとしても合格になりません。
親の目から見ても「今のなんで合格じゃないの!?」と不合格になった理由がわからない。
ぼんちょ兄にコーチから言われた不合格の理由を尋ねると
「形がまだダメだった」
という答えが返ってきました。めちゃくちゃ泳ぎの型の判定が厳しいスイミングスクールでした。
ですが、その分合格した時にはものすごーく嬉しそうでした。
そして、合格した時にはその泳ぎがものすごーく綺麗に泳げるようになっていました。
最終的に4泳法すべてが完成したのは2年生の終わり。
そこでやめる選択肢もありましたが、ぼんちょ兄自身が続けることを選択して小学4年生の今も続けています。
スイミングを5年間続けて得られたこと
- 他の運動もできるようになった
- 度胸と自信がついた
- いろいろな学校・異年齢の子どもとの交流の機会
スイミングを5年続けた結果、親の視点から見て良かったことを紹介します。
他の運動もできるようになった
水泳を始めたきっかけの1つは不器用さでした。
今も初めてのことに取り組む時は不器用さを感じることもありますが、習得がとても早くなりました。
- 鉄棒
- なわとび
- マット運動
- 跳び箱
特に心配していた小学校で取り組む運動は練習すればできるようになり、特に問題なくこなせているようです。
また、走るのも小学2年生以降は50m走で9秒台の記録で走っています。

なわとびカードが与えられなかった保育園児だったぼんちょ兄は二重跳び10回以上跳べる少年になりました。
もちろん成長して身体が大きくなったことで運動神経が伸びた可能性もあります。
それでも水泳は全身運動なので、やらないよりは
身体の使い方が上手くなった
身体が鍛えられた
これらは間違いないです。
度胸と自信がついた
スイミングでは2ヶ月に1回進級テストがあります。
小学3年生以降は県内の水泳記録会にも出場する機会がありました。
人前で自分の力を試すという経験でぼんちょ兄はかなり度胸がつきました。
また、早めにスイミングを習い始めていたこともあり小学校に入学した時から「泳ぐのが得意」と胸を張れるくらい泳げていました。「これならできる!」と、ぼんちょ兄本人が胸を張れることの1つが水泳です。
特にタイムを測るようになってからは、過去の自分の記録を塗り替えていく経験を積み重ねることも自信に繋がりました。
しかも最初は顔をつけることができない状態でした。
本人もそれを覚えていて、
「顔もつけられなかったのに、ここまで泳げるようになったのは俺頑張ったよな」
と、練習を続けたことが自信に繋がっています。

スイミングのこの経験があるからか、「今できなくても続ければできるようになるかも知れない」と新しいことでも挑戦していけるようになっていきました。
いろいろな学校・異年齢の子どもとの交流の機会
ぼんちょ兄はスイミングで多くの友達ができました。
特にタイムを測るようになってからは進級テストではお互いに声援を送るなど、部活動のような雰囲気です。
他の学校の子や上級生のお兄さんとも仲良くなり、コミュニケーションの場としても水泳を始めて良かったです。
小学生男子におすすめしたい水泳グッズ
ぼんちょ兄がスイミングを始めて以来、購入して良かったとグッズを紹介します。
スティックタイプの日焼け止め
小学校で水泳が始まる時にぜひスティックタイプの日焼け止めを!
ぼんちょ兄はずっと日焼け止めが嫌いだったのですが、スティックタイプの日焼け止めは受け入れられました。
しかも子どもが自分で塗るのも簡単です。
そして液体でないため、蓋が閉まってなくてこぼれてカバンの中が大変になる心配もなしでおすすめです。
もしお子さんが日焼け止めを嫌がるようなら試してみてください。
リンネのラッシュガード
最近はどこの小学校でも夏のプールでは上半身にラッシュガードを着るお子さんが増えています。
ぼんちょ兄もぼんちょも、ずっとリンネのラッシュガードを使用しています。
質も良いですし洗濯機で洗っても全然へたりません。
個人的には子供はジッパーではなくロングTシャツタイプをおすすめします。
マイビート板
浮き輪もいいけれどビート板もおすすめ!
水泳を習っている子もそうじゃない子も、友達と一緒にレジャープールに遊びに行った時に我が家のビート板が大人気でした。
小学生になると遊ぶのも楽しいけれ「泳ぐ練習をしたい」という気持ちも芽生えてくるからかも知れませんね。
飛び込んでもズレないゴーグル
スイミングをもし習っていて飛び込みをする予定がある場合はこちらのゴーグルが本当におすすめ・・・!
10歳〜となっていますが9歳から使用しています。
ぼんちょ兄の顔はかなり小さめですが、付属のノーズパッドを一番小さい物に付け替えて使用すれば問題ないです。
飛び込みをするようになって以来ずっとズレていたのですが、こちらのゴーグルを使用するようになってからはズレていません。
飛び込み台からの飛び込みでも大丈夫だったので、もしお子さんがゴーグルがずれて困っているようでしたら是非試してみてください。
まとめ
今回は運動が苦手で不器用と周りから評価されていた子どもがスイミングを始めた5年後どうなっているかについて紹介しました。
最初は顔もつけられないところからスタートしました。
楽しくスイミングしながら自ら顔がつけられるタイミングまで、10ヶ月もコーチが辛抱強く待ってくれたおかげで、辞めずに続けることができました。
全身運動の水泳で身体的にも鍛えられたことが良かったのか、心配していた小学校の体育では不器用さが目立つことはありませんでした。
また、顔もつけられないスタートから、泳ぐのが得意になるまで頑張り続けられたことがぼんちょ兄の自信につながりました。
顔がつけられない・運動が苦手そうなど、同じようなお子さんがいらっしゃるご家庭にとって何か参考になることがあれば幸いです。
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最後まで読んでくださりありがとうございました!