今回は、重度知的障害と診断された子どもと公園で過ごす時に起こりやすいトラブルと解決法について紹介します。
重度知的障害のぼんちょと週に3回以上公園で遊んでいる経験をもとに、公園で過ごす時に起こりやすいトラブルと解決策をご紹介します。
知的障害児と公園で過ごす時に起こりがちなトラブルと解決法
まずは知的障害児と公園で過ごす時に起こりがちなトラブルをご紹介します。
ぼんちょは過去、次のようなトラブルの危機がありました。
- 遊具で遊ぶルールが守れない
- 公園の敷地外に出て行こうとする
- 思いどおりにいかなくて怒る
順番に具体的なトラブルと解決法を紹介します。
トラブル①遊具で遊ぶルールが守れない
遊具で遊ぶ時には
- 順番を守る
- 順路を守る
- 遊具の上で走らない
といったルールがあります。
守れないとどうなるかというと、
人とぶつかります。

ぼんちょも急に周りを見ずに方向転換したり走ったりすることがあるため公園で遊ぶときは必ず私が近くにいるようにしています。
解決法①遊具で遊ぶルールが守れない

遊具で遊ぶルールが守れなくて人とぶつかってしまう場合の一番の解決法について結論をお伝えすると、人がいない時を狙うのが解決法となります。
「人とぶつからず安全に遊ぶこと」を目標とするのであれば、人がいない時を狙えばぶつかることはありません。
でも親としては「遊具で遊ぶルールを守る」ことを目標としたい場合もありますよね。
遊具で遊ぶルールを守ることが一番難しい遊具は、ズバリ
「複合遊具」。
なぜルールを学びづらいかというと、
自由度が高すぎる。
- 始まる場所と終わる場所の選択肢が多すぎる
- 順路がわかりにくい
- 自由に動けるスペースがある
登れる場所、いっぱいありますよね。
降りる場所、いっぱいありますよね。
走れちゃう場所、ありますよね。
知的障害や発達障害があるお子さんにルールを教えるためには、「そうせざるを得ない状態」を作ることが一番です。
なので、「遊具で遊ぶルールを守る」ことを目標とするのであれば、一番適した遊具は
ただのすべり台。

登りは1箇所、下りも1箇所。
そして1回がすぐ終わるので順番も待ちやすい。
滑り台の上に走るスペース無し。
魅力的な複合遊具で遊べるようになることに、私も憧れます!
でも、複合遊具はそもそもルールがわかりづらい環境なのです。
そのことを理解した上で、複合遊具でどうしても遊ばせたい場合には人がいない時を狙って大人が付き添うなど他の人とぶつからない配慮が絶対に必要です。

ちなみに我が家のぼんちょさんは、ただのすべり台でも階段を引き返すことがあるため大人はピタッとそばについているし、人がいない時を狙います。
トラブル②公園の敷地外に出て行こうとする
我が家のぼんちょさんは公園で遊び始めた頃、公園と公園の敷地外の区別がついていないようでした。
公園の敷地外に出たら何が困るって、突然の飛び出しによる事故ですよね。

ここまでは公園。ここからは公園の外。公園の外は自転車や車が通るから危ないってどう教えるの?って頭を悩ませました・・・
解決法②公園の敷地外に出て行こうとする
公園の敷地外への飛び出し事故を防ぐための1番の解決法について結論をお伝えすると、公園の敷地外に出たらどうするかを教え込むことです。
飛び出し事故を防ぐ方法。それは、
公園の外に出たら大人と手をつなぐ!
私は基本、重度知的障害児のぼんちょから目を離すことはないため、ぼんちょが公園から出たらすぐに手をつないで歩くということを何年も繰り返しています。
- 公園は自由に動ける場所
- 公園の外は手をつないで移動する場所
これを頭に置いて繰り返すと、ぼんちょにその習慣が身についてきました。
ぼんちょの場合、場所ごとに活動やルールを設定することで「ここではこうする」がわかってきます。
公園では手はつながない、公園から出るときは手をつなぐを繰り返すことで、ぼんちょは公園の中と外の境界線がわかるようになりました。

今では自分から公園遊びをやめて「帰りたい」と思うと手をつないで公園の外に出られるようになりました。
※手を繋ぐ習慣が身につく散歩をおすすめする記事はこちら↓
トラブル③思いどおりにいかなくて怒る
正直一番困るのってこれですよね!
これはお子さんによってパターンがあると思います。
ぼんちょの思いどおりにいかないレパートリーはこちらです↓
- 他の子が持っているおもちゃが欲しい
- 他の家族が食べているものが欲しい
- 帰りたくない
お子さんによってはブランコの順番をすぐに代わってもらえなくて・・・とか色々なパターンがありますよね。

「こうしたい」という要求が発端のトラブルとの向かい方の正解を私はいまだに探しています。
解決法③思いどおりにいかなくて怒る
他の子や他の家族が持っているものが欲しいけど手に入らなくて怒ることを防ぐ1番の解決法は、
見せない!気づかせない!
もうこれが本当に一番。
大人の体を壁にしたり、見えない場所に本人を誘導したり、あの手この手で気づかせない。
でも子どもって鼻が効きますよね。気づくことあります。
その時に備えて、
代案を用意しておく。
これが気づいて手に入らなくて怒った時の解決法です。
具体的には、本人が気に入るグッズ、本人が好きなおやつなどを持ち歩いておいて提案します。
もちろんその代案が受け入れてもらえないこともあるんですけどね。

そういう場合は、もう不遇の事故に遭ったと思ってその場をなんとか離れます…。
帰りたくなくて怒る場合の解決法は、
予定時間よりも早い段階で帰るよう誘う
ですね。
- 次の予定を示すアイテムやカードを見せる
- 手を洗いに行くよう促す
- 手をつないでみる
これらの行動がぼんちょに伝える帰宅の合図なので早い段階で誘います。
時間ギリギリに誘うと、親の方法も焦ってイライラして良いことにはならないことが我が家では多いです。
それでも最後のギリギリまで帰らないと意思表示して怒ってしまうこともあります。
なので次の解決法としては
帰りたくなるように仕向ける
です。
仕向けるというとちょっとアレですけど、働きかけるということです。
具体的には、ぼんちょの場合だとお気に入りのおもちゃを見せて「これ持って車に乗ろう」と誘ったり、お菓子を見せながら「帰っておやつ食べよう〜」と誘ったりなどですね。
「帰りなくない」の代わりになり得ることを使って誘います。
正直、思いどおりにいかなくて怒るのは本人のコンディションも影響します。
疲れている、喉が渇いた、お腹が空いた、眠い…
不穏な状態になる可能性がある時は、公園に行かないのも選択肢です。
それでも行く場合は、
- しっかり対策グッズを用意しておく
- 大人複数で対応する
など、余裕を持った万全な状態で臨むことをおすすめします。

できれば成功体験を積みたいと思って公園に行ってるけど、試行錯誤の日々です・・・
まとめ
今回は、重度知的障害児の親が直面する公園でのトラブルと解決法について紹介しました。
日々ぼんちょと公園に出かけて、今でも上手くいかない日もあります。
それでも、ここに書いた解決法を頭に置いて出かけることで、少しずつ公園で穏やかに過ごす成功体験も積めてきています。
この記事は、重度知的障害と診断されたぼんちょと、その家族の実際の経験をもとに作成しています。
同じようなご家庭の方に少しでも参考になることがあれば幸いです。
もし、何かお気づきの点がありましたら、お問い合わせページよりお知らせください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。